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中学時代は大変に元気で、野球、陸上、マラソン、バレーとスポーツはなんでもやり、県大会でも優勝しました。
神戸県立ろう学校の高等部に進み、スポーツに頑張りました。三年生のとき、神戸代表となって宮崎全国身体障害者スポーツ大会に出場、百メートル競争で二位に入賞、輝く成績で帰りました。足の弱かった寧がスポーツがこんなにできて、私は嬉しくてたまりませんでした。
就職は希望がかなえられて松下電器に入社しました。部長さんが言葉をどのように指導してよいか心配されたようですが、寧は明るい性格で、「話をしてもすぐ反応してくれる」と、言ってくださいました。
アパートに住み、親も毎月二回ほど行きました。洗濯もトイレも、きれいにしていました。学校生活、寄宿舎での生活が役立ったことでしょう。
高校時代、同級生の大山法子さんと野球部のマネージャーをして、心が通じ合うようになり結婚しました。法子さんの家近くのマンションを借りて生活し、法子さんのお母さんが毎日、ご馳走を持って通ってくれました。
二人は、「子供が欲しい」と両親に話したけれど、私は反対でした。子供を育てることは大変です。しかし二人は、「努力して育てる」と言い、お母さんも、「頑張ります」と言ってくれました。
法子さんは男の子を無事、出産しました。そのとき法子さんは、「先生、耳が聞こえますか」と聞き、先生は手を握って、「耳は聞こえますよ。よく頑張りましたね」と言いました。元気な

 

 

 

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